オーシャンオプティクスの分光器は、基本的に生データスペクトル(OPwave+もしくはSpectraSuiteソフトウェアで表示されるスコープモード)での表示となります。
この生データスペクトルに影響を及ぼすさまざまな要因を補正するために、オーシャンオプティクス社では、スペクトルのエネルギーを規格化するためのNISTトレーサブルの標準光源(LS-1-CAL、DH-2000-CAL)を提供しています。OPwave+もしくはSpectraSuiteソフトウェアでは、この規格化されたスペクトルデータを“I”モード(Irradiance<放射照度測定>モード)で絶対強度値(μW/cm2/nm)、またはLumen、単位面積あたりのLuxとして算出処理されます。
透過率や反射率測定においては、空気の透過光、標準白色拡散板からの反射光を基準光(リファレンス)として生データスペクトルの規格化を行います。
以下は生データスペクトルに影響を及ぼす要因です。
ディテクタ製造元からのディテクタ感度曲線を確認できます。オーシャンオプティクスでは、このディテクタにコーティングを施していますので、この感度曲線グラフは参考値となります。
可視域での減衰は概ねフラットとなりますが、紫外域では高い減衰が生じます。また近赤外域では、ファイバに減衰を及ぼす水分により吸収帯域が750 nmおよび900 nm近辺に存在します。
オーシャンオプティクスで提供している各種グレーティングは、それぞれ異なるブレーズ波長やその他特性をもっているので各波長により反射効率が異なります。
光学レンズはそれだけで波長特性をもっています。オーシャンオプティクスのキュベットホルダにもコリメートレンズが用いられていますが、これらは焦点距離により異なる色収差をもつ単レンズとなります。
発光体でないサンプルの透過測定や反射測定に使用される各種光源も、種類により各波長に対する特性をもっています。各種光源の特性を考慮する必要がありますが、空気の透過光や標準白色拡散板からの反射光を基準光(リファレンス)とすることで生データスペクトルの規格化を行うことが可能です。
CCD / InGaAsディテクタの設計による特性と、電子回路の特性もまた分光器のシステム感度に影響を及ぼすことがあります。ディテクタの電圧シグナルは、暗電流シグナルによるオフセットおよび“ダーク”と呼ばれるアンプによる0(ゼロ)設定シグナルを含みます。またこれら素子間で少なからず感度差が生じますので、これらシグナルはCCD / InGaAsの各素子で差し引かれる必要があります。
これら全ての要因を考慮し感度を規格化するためには、サンプルスペクトルをNISTトレーサブルの標準光源を用いたリファレンススペクトルと比較、補正することが必要です。